給与収入以外に、マンション経営やアパート貸付けによる「不動産所得」や、株取引・投資信託の配当・利益による「配当所得・譲渡所得」がある場合、ふるさと納税の上限額は大幅に変化することがあります。これらの投資による所得が税金計算に与える影響を整理します。

不動産所得は上限額を大きく引き上げる

不動産所得(家賃収入から経費、借入金利子、減価償却費などを引いた利益)は総合課税の対象となり、給与所得と合算されます。不動産事業が黒字の場合、総所得金額等が増加するため、ふるさと納税の上限限度額は非常に高くなります。

ただし、不動産経営の初年度などで減価償却費が膨らんで不動産所得が「赤字(損失)」となった場合は、損益通算によって全体の所得が下がるため、ふるさと納税の上限限度額は逆に下がりますので注意が必要です。

株式・配当所得の「課税方式」による分岐点

株の売却益や配当金がある場合、確定申告でどの課税方式を選択するかによって、ふるさと納税上限額への影響が全く異なります。

  • 源泉徴収ありの特定口座で申告不要を選択した場合:所得税や住民税は口座内で完結して納税されているため、ふるさと納税の上限額計算の基礎となる総所得金額等には一切カウントされません(影響なし)。
  • 確定申告を行って「申告分離課税」または「総合課税」を選択した場合:株の所得が総所得金額等に合算されるため、ふるさと納税の上限額は上がります。

※注意点として、株の所得を確定申告すると、ふるさと納税の上限は上がりますが、国民健康保険料の算定基準となる所得も上がってしまうため、健康保険料の増額分がふるさと納税のメリットを上回って損をする場合があります(社会保険が社会保険組合や厚生年金の場合は影響しません)。当サイトの「精密シミュレーター」を使用し、給与所得とは別に不動産所得や申告する株式等の所得金額を入力することで、安全な併用プランを組み立てることができます。

ふるさと納税の寄付金控除自体が「上場株式等の合計所得金額」に含まれる注意点

株式等の課税方式で「申告分離課税」を選んで確定申告をすると、ふるさと納税の寄付金控除によって下がった所得だけでなく、国民健康保険料や高校無償化の所得判定、各種行政サービスの所得制限判定など、幅広い制度の「合計所得金額」にも影響が及ぶことがあります。ふるさと納税の上限額メリットだけでなく、こうした周辺制度への影響も踏まえて申告方法を選ぶことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. NISA口座内の利益もふるさと納税の上限額に影響する?

A. NISA(少額投資非課税制度)口座内で得た利益は非課税のため、そもそも確定申告の対象外であり、ふるさと納税の上限額計算にも一切影響しません。

Q. 不動産所得が赤字の年は、ふるさと納税自体をやめた方がいい?

A. 必ずしもやめる必要はありませんが、赤字による損益通算で総所得金額等が下がる分、ふるさと納税の上限額も下がります。赤字の年は例年より少なめの寄付額を目安にし、当サイトのシミュレーターで不動産所得(赤字の場合はマイナスの値として)を入力し、正確な上限額を確認してから寄付することをおすすめします。